今日できることを明日やっても良い思考
私事でもあるのですが、以前は物事に対して柔軟に対応できていたのに、うつを経験して以来どうしても「予定」が決まっていないと不安で仕方なくなってしまう傾向があります。
「予定」とは「自分がどう行動すべきかを決めておくこと」。
私は今でも、自分の行動パターンがある程度定まっていないと非常に不安なのです。
ですから、翌日の自分はどういう行動をすべきか、必ず前の晩にメモ帳に書くようにしています。
何も書かずに寝てしまうと翌日が白紙状態になり、どう行動して良いかわからなくなったり何か重大なことを忘れているような気がして不安が大きくなりやすいからです。
それが理由で付け始めたのが「翌日のやることメモ」。
午前中は寝ても良い、昼から夕方までアルバイト、夜は支払いの準備をしておく、など翌日の自分の行動予定を書き留めています。
これのおかげで、翌日の自分がどう行動すれば良いかハッキリして安心できる材料になります。
一方、実はこれにはデメリットもあり、行動予定を書き留めているうちに「やらなければいけないこと」がどんどん頭に浮かんで「やることメモ」がビッシリ埋まり、かえって大きな不安を招くことがあるのです。
例えば以下のような「やることメモ」を書いた場合を考えてみます。
・10時 〜12時 原稿を書く
・13時 〜15時 支払いに行く、役所による
・15時半〜17時 原稿を仕上げる
・17時半〜 夕飯の支度
・20時 〜 ○○さんにメール連絡をする
一見するとどうってことのない内容なのですが、私にとっては問題点が一つありました。
それは「時間を区切った」ということにあります。
やるべき作業を書き留めていること自体は問題ありませんが、時間を細かく区切ってしまうと、その通りに進められなかった場合に少々パニックになりすいのです。
もし10時〜12時の間に原稿書きを終えられなかった場合、その予定は当然午後にずれこみます。
すると支払いに行く時間がずれ、そのまま夜の予定もずれていきます。
だけど今日の予定は確実に終えなければならないという気持ちが強く湧き、気付くと、一日を焦りながら追われるように過ごしてしまいがちなのです。
仮に、今日の予定をうまく消化できなかった場合、明日は遅れをなんとか取り戻そうと考え、明日の「やることメモ」に今日消化できなかった行動を加えることになります。
当然、明日の予定はビッチリになり、また消化しきれない悪循環を呼び起こします。
良くも悪くも、うつ要素のある人はとてもマジメであるがために、自分で決めたことに対しても、その約束を破ることに罪悪感を感じやすいのではないでしょうか。
今の自分には限界値があるのに、そこを無視した行動予定を立て、その消化を目指し、できなかったと落ち込む。
もともとは行動に関する不安を消すために始めたはずの「やることメモ」が、自分を追い込む新たな原因になってしまうとは本末転倒です。
さてそんな私がどう対策を講じたかと言うと、「やることメモ」の内容を少なすぎるくらい減らし、時間を区切ることを止めました。どう考えても確実に消化できる分しか、書き留めないようにしたのです。
従って先ほどの「やることメモ」はこんな具合に変化します。
・原稿の土台をメモする
・支払いに行く
・夕飯支度
時間制約は設けず、その日のうちに完了できればOKという考え方です。起きている間にこの3つを消化することくらいなら、ほぼできるわけです。
当初の「やることメモ」に書き留めていた「原稿仕上げ」「メール連絡」の項目は、当日の予定には入れず最初から翌日分としてカウントします。
一日にやるべきことを圧倒的に少なくするのがポイントですし、もし当日になって余裕があると感じたら翌日分の作業に手を付けてみれば良いのです。
一番よくないのは、「できなかった」という経験ばかりが積み重なることですから、逆に言えば、ほぼ確実に「できた」という状態を作るようにすれば良いということになります。
ぜひ参考にしてみてください。