「見えない病気」を診断する難しさ

「見えない病気」を診断する難しさ

前ページでも触れましたが、うつ病は他の内科系・外科系などの病気と違って、他人にはその症状がなかなか伝わりにくいという特徴があります。これは精神科の病気一般において言えることです。

 

つまり、医師にとっても、患者の病気を診断する材料は患者からの「自己申告」と診断時の本人の様子のみであるため、客観的な判断材料に欠けているとも言えます。

 

もちろん、精神科学会の基準や学者の理論などによって、一応の目安は立てられていますが、基本的にうつ病という病気の原因や発生のメカニズムなどは、厳密にわかっているわけではないので、確実に近い診断というのは難しいのが現状なのかも知れません。

 

これを逆手に取って、障害年金や傷病手当金を目当てにうつ病を装う人がいるのも事実で、実際に事件化しているものもあります。

 

そういった人にとっては、医師の診察が甘い≠アとはまさにつけどころですが、本物のうつ病患者≠ノとっては、自分の申告の範囲内でしか診断されないデメリットがあります。

 

本当は根の深いうつ症状にも関わらず、自己申告の内容が軽ければ、軽度うつ病として診断される場合もあるということです。

 

 

検査によって数値が出るわけではないので、これは医師にとっても難しい作業になるでしょう。しかし、専門科の看板をあげ、専門医として名乗る以上は、言い訳はききません。

 

患者の訴えをよく聞き、背景事情までをも考慮し、その上で適切な診断を下し、シンプルかつ効果的な処方を書く。時にはカウンセリングを勧めたり、家庭環境に入っていくことも必要になります。

 

それが精神科医に本当に求められることですが、実際には理想にほど遠いという現状があります。

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