うつ病Q&A−うつ病を知ろう

「うつ病が怠け者にしか見えない」という意見

うつ病に対する周囲の意見として、このようなものがあります。

 

『うつ病の人が身近にいたとして、その人は終日家に引きこもり、仕事もせず、ネットや漫画ばかりに没頭している一方で、本人は気力がないと言うが、全く元気な人にしか見えない。』

 

あくまでも、周囲の方の意見の一つではありますが、こういった見方は決して少なくないのではないでしょうか。

 

 

上記のような、うつ病に決して肯定的ではない人の意見を見ると、うつ病経験のある本人としては少なからずへこんで自己嫌悪したり、周囲は事実をわかっていないだけだと抵抗したくもなります。

 

ところが、彼らの言うことをよく読み解いてみると、私たちも真摯に受け止めるべき「現実」の一面と、実際の患者にしかわからない「事情」、という両面が見えてきます。

 

 

『仕事に行きたくない、人間関係が煩わしい、過去のあまりの悲劇的な体験からどうしても下ばかり見てしまう。でもこれは仕方ないことなのだ』というのはうつ病者の思考回路ですが、その傷を舐めあい逃げる口実にしてはいないかと聞かれれば、少なくとも私は100%違うと言い切れる自信がありません。

 

そこがうつ病的なのかも知れませんが、確かに一般社会を避けて暮らし続けた時期があります。

 

 

うつ病者の思考回路や傷を舐めあっていないかという点については、周囲から誤解を受けやすい一つの事実面だと思われます。

 

 

一方、表面に見えるうつ症状と、直接視認できない心や脳の回路異常は、医師ですら時間をかけないと状況の判断をつけにくいという側面があります。ましてや本人などは、自分が一体どんな状態になっているのかすらわからずに、不眠、焦燥、不安に駆られ続けます。

 

ここが、とても感覚的で実際の患者にしかわからない事情であると言えます

 

 

『うつ病者がネットや漫画に没頭している』という姿は、確かに表面的には怠け者に見えるかもしれません。

 

 

しかし表に見える部分は人間のほんの一部でしかなく、その心で何を思い何を患っているのかまでは一般の人にはわかりにくく、患者自身ですら自分が何者かもわからず不安になっています。このため、双方向での理解は決して簡単なことではないと思えます。

 

今回取り上げた「周囲の意見」は、あくまでも一部の意見ではありますが、彼らと私たちうつ病者との間には、お互いに理解しにくい現実や事情がある、ということがわかります。

 

周囲の方にも、できるだけうつ病者に歩み寄って苦しみの感覚を共有してもらえたらありがたい、と思う一方で、私たちも頭から周囲の反応を否定せず、自己嫌悪なしに素直に受け入れてみることも大事かもしれません。

 

 

なかなか簡単なことではないかもしれませんが、周囲の人から見られている自分の姿と、実際の自分自身の状態との間には、実はけっこうな距離感があることに気付くことでしょう。そこが結局、自分がうつ病であることでどう変化しているのかを測る材料になるはずです。

 

 

周囲の言葉に一喜一憂しても、ただ自分の心をかき乱すことにしか繋がりませんから、できるだけ事実のみを比較して見てみるようにすると、周囲の感覚と自分の状態とのかい離を最小限に抑えることができるかもしれません。

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