主治医を替えられない理由
- どう考えても、相性が合うとは思えない先生。
- 患者が多すぎて、ただ機械的に薬を出す先生。
- 抗うつ薬から抗精神病薬から抗パーキンソン薬からガンガン処方してくる先生。
こんな主治医だと、良くなるうつ病も良くならないです。
私の知り合いの娘さんの主治医は、 大病院の精神科に通っていました。
しかも、上記の1から3まで見事に満たす医者だったので、 医師と心は通い合わないわ、皿に盛れるかと思うくらいの薬を飲んでいるわで、 私は違う意味で「同病相哀れむ」ような気持ちを持っていました。
ところが、そんな彼女を目の当たりにして 「おかしいねぇ…治らないねぇ…」と心配し嘆く両親が、
さっぱり医者も変えようとしないし薬も調べようとしないんです。
ただ嘆きっぱなしです。
私が「病院を変えてみたら?薬が悪さをすることもあるよ?」と言っても 彼女の両親は「そうだねぇ」と言うだけで何の行動も取りません。
娘が心配で仕方ないはずなのに、何の行動も取ろうとしない親。
でも最近、その病院の精神科の規模が縮小され、 それと同時に彼女は別の精神科に移るよう指示されたようでした。
今彼女が通っている病院では、 親身な医師がシンプル処方で治療を行っているため、 抑うつ症状も激的な改善を見せているようです。
そこで初めて、彼女の両親は私に、 何故ずっと主治医を変えなかったのか、その理由を教えてくれました。
彼女の両親は、環境が変化することに無意識的に抵抗があったようなのです。
ずっと診てもらってきた医者を変えるという
その行為にも、その変化にも抵抗がある、ということだったそうです。
人間て、実は、馴染んだ環境から変化するのをものすごく嫌う生き物なんですよね。
だから、何かヘンだとは気付いていても、なかなかそこから 新たな一歩を踏み出せなかったりするんです。
ヘンな義理とかもあったりで。
彼女がうつ病である以上、 本来は両親が、彼女の代わりに最適な環境を探し出してやる必要があったのですが、 それを阻んでいたのは、他でもない両親自身の心に潜む「変化を嫌う本能」だったわけです。
何か行き詰った物事を本当に打破したいと思うなら、 怖くても「変化」に飛び込み、それを受け入れていくことは とても大切なことなんですね。